FOTO by Kenji Omoto
橋口 学(はしぐち まなぶ)
MANABU HASHIGUCHI
鹿児島県薩摩川内市生まれ
ドイツ国家認定フロリストマイスター
1993年より、東京銀座スズキフロリスト・学苑サロンドフルール勤務。
1997年 渡独。ニュルンベルク・フロリスト職業専門学校及び、花店ブルーメングラフにて修業、フロリストとなる。
2002年、フライジング・国立花き芸術専門学校ヴァイエンシュテファン卒業と同時に、ドイツ国家認定フロリストマイスターとなる。
その後ミュンヘンの花店ブルーメンエルスドルファー勤務を経て、2006年に帰国。
現在は神奈川県秦野市にて「ハシグチアレンジメンツ」を主宰し、植物造形理論/実技レッスンを行っている。また国内外でフラワーレッスンやデモンストレーション、コンテスト審査員を行うなど、幅広く活動中。
ご挨拶
小さい頃からモノづくりが好きだった私がフラワーデザイン教室に通っていた頃、イギリスやアメリカ、オランダなど海外のデザインが盛んに取り上げられる中で、私はヨーロッパの花、特に「ドイツのデザイン」に強い興味を引かれました。
その頃は日本の先生方が本格的にドイツのデザインを取り入れようとしていた時期で、多くのカタカナ表記によるドイツの花の本やテキスト、デザインの写真が飛び交っていました。
遠い国の、自分にはよく理解できない説明によるドイツのデザインの写真を見ながら、「面白そう」と感じた私は勢いと若さも相まってドイツに出かけたのでした。その時、私は27歳。
実際に目にした、経験したドイツでの花の学習やその生活は私が思っていた以上に「面白い」もので、
<花のデザインを「美術」として捉えた造形学として学べること>
これが私を魅了したドイツの花の「面白さ」の正体でした。
材料について学び、その構成法を学ぶ。 作るものの完成形は、自分で導き出すもので、見本はない。
材料(私たちの場合は植物)についての探究心や愛着がなければ、それを使って何かを作り出すことは無意味であること。 これは私が日本では到底辿り着けなかったモノづくりの基本でした。
あー、いい事を知ったなーと思った私は、これを独り占めにしているのはもったいない、是非多くの日本の皆さんに私が経験してきた事を伝えたい。マイスター学校を卒業する頃にはそう考えるようになりました。
デザインの基本的な考え方さえ理解していれば、これでいいのかな?という不確かな感覚で花を作らなくて済むこと。そして自分の造形材料<植物>について考えることがどんなに楽しいことであるかを伝えたい。そんな思いで、講師の仕事に就いています。
マイスター学校で、「花は人に貢献し、文化を創造するもの」と教わりました。
皆さんがhashiguchi arrangementsのレッスンを受講されることで、普段の生活の中で花を活ける、花を飾ることで見る人を楽しませることに対して、自由な感性と質の高い芸術性を持っていただきたい。それは難しいことではなく、基礎的な理論や実技を習得すれば、あとはそれぞれ自由な発想で進んでいただきたいと願っています。
恩師のゲアハード・ナイディガー先生